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カクシンハン8月公演
「シン・タイタス」
「ナツノヨノユメ」の
中止に伴う
チケット払い戻し対応について

ご購入いただきました皆様、大変お待たせいたしましてお手数おかけいたします。
払い戻しのご対応について、カンフェティにご登録いただきましたメールアドレスへ
「カンフェティチケットセンター 〈otoiawase@confetti-web.com〉」より
8/20（金）より順次ご案内させていただいておりますので、
メールのご案内に従い、チケット払い戻しを行っていただけましたらと思います。

【公演中止】
実施できていた場合の公演情報は以下になります。

ヘンリー六世、リチャード三世×スポーツ

ハムレット×SHIBUYA

ヴェニスの商人×原宿ストリート

冬物語×サランラップ

ハムレット×交差点

タイタス・アンドロニカス×ドラム

タイタス・アンドロニカスはとても骨太な作品だ。かたや現代の東京を生きる僕らの日常はとても細々しい。凸凹したタイタスという戯曲に、つるつるした僕らがどうやって立ち向かえばいいのか。途方にくれたところから創作が始まるのが僕らのセオリー。混乱とカオスから立ち上がる「何か」を求めて、日々ガムシャラに稽古する。僕らの挑戦は、激しく疾走する。

夏の夜の夢×ぬいぐるみ

片岡めりやすさんの人形が走り回る。マンガみたいな動きでスラップスティックに演じた俳優たち。劇中劇はシュールなユメの連続。光を背後から差し込ませ、俳優たちは実体のない影のように走り回った。そうそう、村上春樹の『騎士団長殺し』のオープニングのイメージで演出したんだ。いろんな人に助けてもらいながら上演にこぎつけたなあ。プロデューサとして書生の井上君が大活躍してくれたな。彼は今はバリバリの商社マン。プロデューサーのの経験が生きているかしら。

マクベス×パイプイス

『マクベス』は、マクベス夫妻の話だ。パイプ椅子と既存のものたちのみで、幻視の『マクベス』を創作した。河内大和さん、真以美さん、お二人のマクベス夫妻は、SHAKESPEAREと東京が地続きであることを証明してる。東京でしか作れない僕らのマクベス。僕の自慢は”MACBETH”のどこのシーンも原語でスラスラ言えること。あ、演出には全く関係ないけど。

じゃじゃ馬ならし×短編小説

イタロ・カルヴィーノってイタリアの作家はこう言った。
―疲弊した現代文学を次の世紀に甦らせるために必要なもの、それは「軽さ」「速さ」「正確さ」「視覚性」「多様性」である―
僕は膝を打った。シェイクスピアをカルヴィーノの小説みたいに捉えてみよう。そう、『不在の騎士』って最高の小説があるんだ！男尊女卑甚だしくて、大きっらいな「じゃじゃ馬ならし」もキュビズムで演出しなおせば面白くなるぞ！馬たちの茶番劇。最後は馬に銃殺される「馬」鹿な男。

リチャード三世×KOCHI YAMATO

河内大和さんのリチャード三世は別格だ。カクシンハン初の一ヶ月ロングラン公演。日に日に僕らの歴史劇は熱を帯び、完成度を高めた。『ヘンリー六世三部作』も同時上演だったから、本番と同時進行でヘンリーをひたすらに稽古した。東京を生きる僕たちは一ヶ月間、架空のイングランドの空のもと、架空の戦争に明け暮れていた。架空の王冠を巡る野心を胸に。

ヘンリー六世×スターウォーズ

新国立劇場で見た『ヘンリー六世 第二部』の帰り道、僕は石を蹴っていた。難しかったのだ。学生で貧乏だった僕は、水道代を払うか演劇を見るかの大勝負に出た。勝負には負けた。難しかったのだ。それはそうだ。第一部を見てないのだから！今思うと勿体ない。でもその日に石を蹴りながら思い浮かべた、予備知識なしで楽しめる歴史劇は数年後に実現した。そう、スタウォーズのようなワクワクとドキドキのシェイクスピアウォーズを作りたかった。座組一丸となって作った、あの時の僕たちは確かに力強いチームだったな。

ジュリアス・シーザー×マイナンバー

ローマの政治家を、現代を生きる政治家と考えて稽古を進めた。観客にはマイナンバーを配り、ローマ市民として参加してもらった。シーザーは、現代日本を議題にした答弁の最中、議事堂で暗殺者たちに刺殺される。俳優たちの力で僕の強引なプランも成立した。やっぱり俳優たちこそが、僕の想像力の翼であり導き手だ。ローマの軍神マルスとしてのドラムが鳴り響く。

じゃじゃ馬ならし×ポケット

どこにでも持ち運べるシェイクスピア。大分の田舎町へ。大分での初日、一升瓶が割れた。ドタバタ喜劇のように始まった大分公演は大盛り上がり。かなり風刺を聞かせたラストの演出、お客さんがぽかんとしていた。難しかったよね。でも、こんな現代的なシェイクスピアを届けてくれてありがとうって言ってくれたあの若者たちには救われた。自然の中のシェイクスピアを作ってみたいと思ったのは、この時の大分公演がきっかけ。

オセロー×リバーシブル演劇

オセロー目線のBlack版とイアゴー目線のWhite版。ツーバージョンの演出でオセローの旅をした。河内大和さん演じるイアゴーが観客に語りかけるシーンを見た時に、シェイクスピアの言葉が、思考の流れを追体験するための装置であることが腑に落ちた。二つのバージョンを見に来て下さったお客様がたくさんいて、俳優たちがその期待に一心に応えてくれた。

ハムレット×監視社会

『ハムレット』の”To be, or not to be, that is a quetion,”というあまりに有名なセリフに松岡和子さんが僕らのために新訳を下さった時、僕は泣くほど嬉しかった。「生きてこうあるか、消えてなくなるか、それが問題だ。」演劇的なすごい訳。ハムレットはトンデモナイ山だから、僕らは何度でも挑戦するだろう。「こうある」現在の姿を曝け出しながら。

タイタス・アンドロニカス×エンタメ

たくさんのお客様と出会えた作品。松岡和子さんの感想に救われた。ーきのう見たカクシンハンの「仁義なきタイタス・アンドロニカス」がすごい。あっと驚く配役。ラヴィニアとエアロンがダブルで女優、タモーラが男優。残酷で美しく斬新な戯曲解釈。タイタスの河内大和が秀逸だ。これだけの舞台はなかなかない。見て、見て、見逃さないで！ー

夏の夜の夢×アポロ13

2014年、僕らは三つの作品を連続上演した。その一本目が『夏の夜の夢』。ジメジメした梅雨に上演するにはうってつけの作品だ。細長いランウェイで芝居を全部作り、月に旗を立てる妖精たちの姿が浮かび上がる。女性も男性も関係なく、男も女もランウェイを駆け抜ける。光と実態のない影たちの存在を感じた。それが実現したのは、2017年のPOCKET公演。

リア王×パンク

『リア王』はシェイクスピアの最高傑作だという人は多い。成熟した悲劇の極北に僕らみたいな若者が挑もうなんて狂ってる。狂ったのは河内大和さんとの出会いがあったから。ヤング・リア。真以美さんがエドマンドとコーディリア。僕は、興奮の渦にいた。言葉の膂力に引っ張られ、シェイクスピアの凄まじい渦へ。リア王に挑戦する日を今も僕は渇望している。

ロミオとジュリエット×テロリスト

マロリー・ブラックマンの『コーラムとセフィーの物語』という小説と村上春樹の『海辺のカフカ』。この二つを文学座の研究所で自主的に勝手に上演したのが僕の演出の始まりだ。コーラムも田村カフカも僕の中では、完全なロミオだった。ヴェローナの街に住むリクとカイ。出会ってはいけない二人の悲恋。そうだ、吉田鋼太郎さんが見に来てくれたなあ！

ハムレット×SHIBUYA

いつも始まりは『ハムレット』だ。カクシンハンの旅もここから始まった。「石の中に眼がある」という言葉で始まる田村隆一の詩をパレルモのホテルで読んだ時、僕は劇団を作ろうと思った。3月11日のあの光景を見たとき、僕らの旅を一刻も早く始めるべきだと思った。「あとは沈黙。」と言って死を迎えるまでの青年シブヤと青年アキハバラのダイアローグ